キールタンというヨーガ

雲の向こうからさえも夜空を照らす輝き。早く出てきて、まん丸お月さま。

 

暮れ始めた頃は雲にさえぎられていた月。夜空に現れるや否や、月の光ってこんなに

明るかったんだと思うくらいのその輝きに魅了された中秋の名月。みなそれぞれの場所

からこのお月さまを眺めていると思うとなんだかあたたかな気持ちになりました。

 

中秋の名月 2021..9.21

 

月の夜に、気が付けばいつも口ずさんでいるバジャンがあります。

“月が満ちた秋の夜に、清らかな水のヤムナーの流れ♪”・・そしてしだいに歌うことに

我を忘れるその時は何とも言えない至福の時。歌い終えたあと、そう感じるのです。

 

バジャンとは、「献身する、捧げる」等の意味を持つभज् (bhaj) というサンスクリット語に

由来し、「神を念じその行いを詠唱すること」、またその歌のことを言います。また

「称賛する、繰り返す」等の意味をもつकीर्त्  (kirt)に由来するキールタンも同様で、

ヒンディー語の辞書によると「特定の神を賛美するヒンドゥー教の宗教的行為」、

またその賛歌のことを言うのだそうです。

 

インドに行けない月日はどんどん流れていきますが、そんな今にもちゃんと意味があるのでしょう。

インドに行くたびに先生から教わったこと、アーシュラム滞在生活の中でいただいた

たくさんのや経験や学びが今の精神生活を支えてくれているのを確かに感じ、改めて

すべてに感謝だなぁと思います。

そんな流れの中で、日々の生活の中でふと口ずさみんだり、ハルモニウムひきながら一人で

歌い続けているキールタンやバジャンを誰かと一緒に歌うことができるといいなと思う

ようになりました。以前のようにみなさんと集まって歌うようにはできなくても、

オンラインで可能な限りのキールタンのひとときを過ごすことも「今」なのでは・・と。

 

キールタンのお供、ハルモニウム。彼女の名前はプシュパ

 

ところでキールタンというのは、献身的に神さまの名前を歌うという修行であることから、

歌うヨーガ、音のヨーガとも呼ばれていますが、インドの神さまやキールタンの雰囲気に

日本の日常では馴染みにくいのでしょう、また人前で歌うことが恥ずかしいと思う人も

いるでしょう。ふだんのクラスで行うようなヨーガのようには親しまれていません。

でも神さまの名前を歌うとき、歌の上手下手とかとは無縁のものであり、それは誰かに

披露するものでもなく、心こめて神さまへの信愛の気持ちをこめて歌う、ただ

それだけが大切なことなのです。

 

神さまの名前に親しみを持っていただくために、その言葉の意味も少しお話ししながら

進めていいきますね。ピュアですばらしい響きをもつ神さまの名前やマントラを

メロディーに乗せて繰り返し歌っていくという体験をしてみませんか。そしてよければ

続けてみてください。

 

たった一つの永遠の真実を求めて、本来のヨーガの厳格な修行をすることはなかなか

難しいこの時代に、「キールタンというヨーガは、最も安全で確かで、早く、安全に、

神の実現に至る道である」とグルデーヴ・シヴァーナンダはご自身の1冊の著書の

冒頭で教えて下さっています。「神の実現」とは・・なんだか難しく思えますが、

やはりこれもヨーガの道を歩みながら自ら体験を重ね味わっていくしかないの

でしょうね。現在の私は「至高の存在を知ること、真の自己とは何かに気づくこと」

・・と理解しています。

 

オンラインでのキールタンは、第4日曜日のオンラインクラスの前半14:00~14:30に

行います。オンラインクラスについては 当HPの“CLASSES”をご覧ください。

いつか皆さんと集まってキールタンできるようになる日を待ちながら、まずは

オンラインクラスでご一緒できるのを楽しみにしています。

どうぞよろしくお願いします。

 

Pranam & Om